考察 8【異星人に関するSF考証②】

バッフ・クランの女性マヤヤ
バッフ・クランの女性マヤヤ


添付のイラストは、バッフ・クランのカララお嬢様の侍女、マヤヤです

見ての通り地球人そっくりで、しかもなかなかの美人です

バッフ族は色白で顔の掘りが深いのが身体的特徴なので、そもそも美男美女が多い

勿論全員が純粋なバッフ族ではないので色黒な人やノッペリ醤油顔の人も居ますが、いずれにせよみんな地球人そっくりです


物語の序盤、地球人もバッフの人も、異星人が自分達と余りに同じ容姿である事に「本当に異星人なのか?」と異口同音に驚きます

何故驚くかと言うと、それは常識的に『有り得ない事』だからなんです

本項では、何故有り得ないのかについて解説します


地球上の生物はほぼ共通して同じアミノ酸や塩基の数を持ち、その身体は炭素で出来ています

これは全ての地球生物が共通の祖先から派生した事を示しますが、理論上は地球の生物と違う塩基の数、或いは炭素以外の物質からも生物は誕生し得ます


地球上の陸棲脊椎動物は皆(後から退化した種を除いて)カエルもトカゲも人類と同じく四肢に5本の指を持ちますが、それも初めて陸に上がった魚がたまたまそんな骨格だったからなのであって、少し進化の具合が違えば手が4本、指が6本だったかも知れない


星の環境によってはメタンやアンモニアで呼吸する生物が進化する事も有るだろうし、酸素なんか吸ったら即死するって生物も有り得る

星の環境は当然一律ではないので異星人が存在するとしたら、見た目も生活の仕方も我々とは、まるっきり違ってて当然な訳です


物を食べる口は恐らく身体の前面に付くだろうし、目や耳の様な感覚器官は有してるだろうけど、それがどんな形をしていて、どこに、何個付くかは分からない

同じ地球生物でも虫の目の構造は我々人とは全然違うし、耳は腹部や後ろ足に付いてるし、呼吸は口からじゃなく腹の横で行います


人間の皮膚はとても薄く、ちょっとした刺激ですぐに破壊されてしまうけど、蟹の様に硬い外骨格を持つ生き物の方が種としての生存率が高く、文明人へと進化し易いかも知れない


こう考えて行くと、異星人が我々地球人に近い姿をしているなんてロマンでしかなく、寧ろ地球生物の基準では想像もつかない異形な種であろう、って結論になります


例えば、象を見た事のない人が「空想で哺乳類動物を描け」と言われた時に、あの姿はまず想像出来ない

ベースは同じ、環境も同じなのに、進化の過程でとんでもなく異形な形が出来てしまう好例だと思います


30年以上前に大ヒットしたスピルバーグの映画『E.T』

あれに出て来る宇宙人のデザインは当時話題になりましたが、あれだって、頭がてっぺんに有って瞳の有る目が2つ、真ん中に鼻と口が1つずつ、手と足が2本ずつって段階で、もう有り得ない位に地球人そっくりなんです

逆に異星人にとっても我々は想像を絶するレベルの異形な化け物に映る訳で、化け物同士の出会いはどんな遭遇劇になるんでしょうか


もう一つ、会話が可能かって問題も有ります

生き物にはそれぞれ可聴域ってのが有って、例えば犬や猫は人間の可聴域より周波数の高い音(超音波)を聴く事が出来るし、逆に象は周波数の低い音(低周波音)を聴く事が出来ます

同じ哺乳類なのにコウモリに至っては超音波のみで生活してる

同じ星で生きる者同士でも、聴き分けられる音域が違う訳で、我々の声は異星人には聞こえない可能性も考えられる訳です


さてイデオンの地球人とバッフの人は、身体の構造が全く同じです

これはネタバレになるけれど、会話は勿論、輸血も性交も可能な上に子作りまで出来てしまうから、もうメチャクチャです

何故か?

それは、この2つの種族が「何者かの意思により別々の星にその種を植えられた」からなんです