考察 2 【物語の舞台設定】

『ギジェとシェリル』  ラフ画
『ギジェとシェリル』 ラフ画

 【物語の舞台設定】

時代設定は西暦2300年頃

多分、未来の我々の地球の物語(多分、と言うのには理由が有りますがそれは後述)

人類は『反物質』をエネルギー利用する技術を手に入れました


反物質とは、普通の物質とは真逆の性質を持つ反粒子によって組成された物質で、これが普通の物質と接触すると凄まじいエネルギーを発して『対消滅』します

その爆発力はハンパ無く、石ころ程度の大きさの反物質でも核爆発なんか目じゃない程の威力なんだそうです


我々の住む宇宙がビッグバンにより誕生した瞬間、普通の物質と反物質はほぼ同量ずつ発生し、それらは発生と同時に互いに接触し、一瞬にして、人類が永久に目にする事が出来ない、凄まじい対消滅合戦が起こりました

その結果、何らかの要因で普通の物質が僅かに勝ち残り、結果的に星や我々生命体等、現在の宇宙に存在する全ての物が、この残りカスみたいな物質から形成されている訳です


イデオンの物語の時代、この反物質を人類がどうやって手に入れたかは分かりません

現代の技術でも粒子レベルの反物質の生成は可能(但し篦棒な費用と時間が必要)だし、広大な宇宙空間には、消え残った反物質がまだ現存している、なんて説も有ります

いずれにせよ、この反物質エネルギーを利用した『反物質エンジン』の開発により、『亜空間飛行(地球人はD.Sドライブ=デス・ドライブと呼ぶ。D.SとはDimension space、つまり亜空間の略)』が可能になり、人類は外宇宙に進出し、居住可能な惑星を見つけ、植民星として開拓して行きます

外惑星への移民が始まって50年程が経過し、既に20億近い人が異星で生活しているという設定です


亜空間飛行は、宇宙戦艦ヤマト等の『ワープ航法』と同様、光より速く天文学的距離を航行する技術ですが、その仕組みはワープと根本的に違います

ワープは、3次元空間を歪めて(2次元に例えると紙を折り曲げて端と端をくっ付ける、的な)遥か遠い空間を手前に引き寄せて一瞬にして移動するという理論

対して亜空間飛行は、3次元空間とは物理的な距離感の違う別の空間を通って大幅に時間を短縮する、言わば高速道路を走行して目的地に早く到着するのと同じ理論なので一瞬では移動出来ません

なので、ヤマトではワープした途端に目的地に着く描写になってますが、イデオンでは亜空間を航行中のシーンがたくさん出てきます


まぁそれはさて置き、人類は反物質エンジン搭載の亜空間に突入可能な宇宙船(=アウトシップ)を建造して外宇宙探索を開始します

そして次々に移住可能な惑星を発見し、環境改造を行い、アジアン星、キャラル星、ダボラ・スター等の移民星を増やし、『ソロ星』と名付けられた新天地にも移民を開始しました


イデオンの物語は、このソロ星から始まります