先述の様な経緯で『イデ捜索隊』が編成される事になりました
とは言え、イデの星の方角に何か有るらしい程度の、所詮お伽話に基づいた仮説の為に多額な経費をかける訳にはいかず、捜索隊の規模は『グラム・ザン』タイプの戦艦1隻のみ、その隊長は、軍人としてはまだぺーぺーの若手、幹部候補生の『ギジェ・ザラル』という、かなりナンチャッテな部隊編成
このギジェという若者、下級貴族の出で家柄は決して立派では無く、世襲を重んじるバッフの中では、生い立ちにかなりのハンデが有りましたが、努力と生来の生真面目さで士官学校を優秀な成績で卒業し、やがてその優秀さがドバ総司令の目に止まる事となり、ついには総司令の次女である『カララ・アジバ』の許嫁にまで上り詰めたという、立身出世物語を自でいく男
ドバ総司令的には「何か見つかりゃめっけもん」位のイデ捜索隊で隊長としての経験を積ませ、それなりの肩書を持たせて娘の夫としての器量を上げようとの思惑が有ったのだと思います
カララお嬢様は元々イデの伝説に興味を持ち、色々研究をしていた様ですが、このイデ捜索隊に参加する事になります
本人が行きたいと言い出したのかドバ総司令が勧めたのかは定かじゃないですが、その後の行動を見る限り、半ば遠足気分だったんじゃないかって事は想像に難くない
このお嬢様の勝手気ままな遠足気分が、異星人同士の接触をとんでも無い悲劇的出会いに変え、血の滲む様な努力で積み上げて来たギジェの出世への階段を全部台無しにしてしまう事になります
因みに許嫁では有りますが、ギジェはカタブツ過ぎるが故にカララとの肉体関係は無く、恋人と呼べるレベルには達していない様です